環境方針
当社グループは、社会資本整備を担う企業として、「社会の求めるものに応えることを通し、社会に奉仕する。このため会社はその存続発展をはかるに足る相応の利益を挙げる。」という経営信条のもと、社員一人一人がSDGsの理念を共有し、環境負荷低減に向けての事業活動と付加価値の高い景観商品を提供することにより、地球環境保全と経済活動が両立する持続可能な社会に貢献する企業を目指す。
- 当社グループの事業活動において、環境負荷の低減に取り組む。
- 環境保全に関わる法規制及び同意するその他の要求事項を遵守する。
- 環境に配慮した舗装材料・工法等の技術開発の推進と、当社グループの環境景観商品(リ・タンスイシステム、パーミアコン等)を積極的に提案し普及に努める。
- 環境目標を策定し、定期的に見直しを行い、継続的に改善する。
- 環境方針は、全従業員に周知し、方針の公開等情報の開示に努める。
TCFD提言に基づく気候関連の情報開示
2023年、コーポレート・ガバナンス・コードの改訂や開示制度の見直しを背景に、有価証券報告書において、TCFD提言に準拠した情報開示が求められるようになりました。
当社は2025年6月より、TCFD提言に基づく気候関連の情報開示を行ってまいりました。
現在、TCFD提言の考え方は、国際的なサステナビリティ開示基準(IFRS S2※1)へと引き継がれています。
日本においても、サステナビリティ基準委員会(SSBJ※2)により、2025年に開示基準が整備されました。
当社は今後、これらの制度動向を踏まえ、適切に情報開示を行ってまいります。
TCFD提言における開示推奨項目
| ガバナンス | 気候関連リスクと機会に関する組織のガバナンス |
| 戦略 | 組織の事業・戦略・財務への影響 |
| リスク管理 | 気候関連リスクの識別・評価・管理の状況 |
| 指標と目標 | 気候関連リスクと機会の評価・管理に用いる指標と目標 |
※2 サステナビリティ基準委員会(Sustainability Standards Board of Japan)。ISSBをはじめとする国際的なサステナビリティ開示基準開発への対応及び国内のサステナビリティ開示基準の開発を担う。
(1)ガバナンス
当社は、「 中期経営計画(2024~2026 年度)」において、気候変動を含む環境問題を経営に重要な影響を与える課題のひとつと位置づけております。
2024年8月より経営会議の直下にサステナビリティ委員会(以下、「当委員会」という。)を設置しております。
当委員会は月に1回の頻度で開催され、代表取締役社長を委員長とし、社内取締役で構成されております。
当委員会では当社グループのサステナビリティに関する方針や重要課題の検討、目標設定や進捗状況のモニタリング、リスク・機会の評価などを行い、必要に応じて経営会議を経て、取締役会への付議・報告を行います。
当委員会の議題として、環境面ではカーボンニュートラル社会の実現など、社会面では人的資本価値の向上、人権の尊重、レジリエンスの強化、取引先とのパートナーシップの醸成、地域・社会への貢献など、ガバナンス面ではコーポレートガバナンスの強化、ステークホルダーとの関係強化などを取り扱っております。
上記当委員会にて検討された内容については、四半期に一度、取締役会に報告しており、取締役会では報告内容について当委員会に諮問のうえ当委員会で検討した気候変動や人的資本などのサステナビリティに関する課題の管理・監督を実施いたします。
・当社のサステナビリティ体系図

(2)戦略
TCFD提言で示された各リスク・機会の項目を参考に、気候変動が及ぼすリスク・機会に関して、1.5℃シナリオおよび4℃シナリオにて分析を行いました。1.5℃シナリオにおいては、脱炭素社会への移行に伴い、炭素税の導入や再生可能エネルギーヘの転換などの施策・規制が進むことによる事業への影響が考えられます。
4℃シナリオにおいては、脱炭素社会への移行が進まず、異常気象の激甚化による洪水被害などの物理的な面での影響を想定しております。
| 1.5℃シナリオ | 4 ℃シナリオ | |
| 社会像 | 2100年までの平均気温上昇を2 ℃未満に抑えるため、脱炭素社会を実現する施策・規制が実施される世界 | 2100年までの平均気温上昇が約4 ℃上昇することにより、気候変動による異常気象の激甚化が進行し、物理的影饗が生じやすい世界 |
| 参照シナリオ | ● IPCC SSP1-1.9 ● IEA Net Zero Emission by 2050 Scenario | ● IPCC AR6 SSP5-8. 5 |
| 対象 | 全事業 | |
(A) 主要なリスクおよび機会と影響度
気候変動シナリオをもとに当社の全事業に与えるリスク・機会を分析し、以下の項目を抽出いたしました。
抽出したリスク・機会の項目が事業に与える影響を定性・定量評価し、対応策を立案し、レジリエンスを高めております。
当社としては、気候変動リスクの時間軸を短期(1~3年) 、中期(4~5年)、長期(6~25年)とし、リスク・機会が当社に与える影響度合としては 、財務的影響額(大:売上高の20%以上、中:売上高の10%以上20%未満、小:売上高の10%未満)として判断しております。
| 社会の変化 | リスク項目 | 時間軸 | 影響度 | 対応策 | |
| 移行リスク | GHG排出に関する規制の強化 | 排出削減を目的とした設備や再生可能エネルギーの導入費用が増加 | 短~長期 | 中 | •長期的な目線でコスト回収をしていく |
| 1.5℃シナリオ | カーボンプライシングの導入 | 操業時の排出量に対するカーボンプライシングや課税がコストを押し上げる要因となる | 中~長期 | 中 | ・中温化アスファルト混合物の製造 ・省エネルギー設備の導入 ・再生可能エネルギーの利用拡大 |
| 物理リスク | 平均気温の上昇 | 熱中症リスクの増加や酷暑時間帯の作業制限による生産性の低下 | 中~長期 | 中 | ・作業従事者の健康管理の徹底 ・ICTを活用した施工の効率化 |
| 4℃シナリオ | 降雨や気象パターンの変化 | 天候不良により工事工程が遅れ、エ数と費用が増大 | 中~長期 | 小 | ・天候不良による作業ロスを踏まえた作業計画による追加費用の回避 |
| 台風・洪水のような異常気象の深刻化・増加 | 工事現場や製造拠点の被災、サプライヤーの被害による原材料供給の停止 | 中~長期 | 大 | ・設備に対する浸水を想定した対策 |
| 社会の変化 | 機会項目 | 時間軸 | 影響度 | 対応策 | |
| 機会 | 気候への適応策・保険リスク対応の開発 | CO2排出量を低減する中温化アスファルト混合物の需要が拡大 | 短~長期 | 中 | ・中温化アスファルト混合物の製造設備への投資 ・中温化アスファルト混合物の使用促進 |
| 低炭素製品・サービスの開発・拡大 | 中温化舗装の拡充に伴う市場拡大とコスト最適化 | 中~長期 | 中 | ・中温化舗装の供給体制の拡充 ・製品、施工の品質向上を契機とした事業機会拡大 ・中温化舗装工事の設計提案 | |
| 研究開発・イノベーションによる新規商品・サービスの開発 | コンクリートにCO2を固定化させる技術による持続可能な事業の創出 | 中~長期 | 中 | ・CO2固定化の有効性を検証し、強度や耐久性を確保 ・施工業者・材料メーカーとの協業を推進 | |
| 社会インフラの更新、国土強靭化対策 | 道路舗装の高耐久、長寿命化の重要性が高まる | 中~長期 | 小 | ・高耐久・長寿命化舗装工法の拡大 ・高耐久舗装やリサイクル製品の新規開発、販売 | |
| 降雨対策 | 流出抑制工法や雨水貯留浸透施設の重要性が高まる | 中~長期 | 大 | ・ポーラスコンクリート舗装「パーミアコン」や雨水貯留浸透施設「リ・タンスイシステム」の事業機会および市場の拡大 |
(B) 特に重要と認識したリスクおよび機会
洗い出したリスクおよび機会に関しては、それぞれにおいて影響度合いを評価しておりますが、主要項目についてはより掘り下げた分析を行い,その対応策を検討し、リスクの最小化および機会の最大化に努めております。
(a) 移行リスク:カーボンプライシングの導入
■リスク・機会の認識
1.5℃目標 (2030年までに2024 年度の基準排出量からScope1,2を42%以上削減、Scope3を25%以上削減達成に向けた温室効果ガス排出規制強化により、自社Scope1、2に対しての炭素税(カーボンプライシング)の負担の増加が想定されます。
| 財務影響額試算 | |
| (A) 想定される炭素税コスト(最大) 2030 年時点:約 400百万円 (B) 想定される炭素税コスト(最小) 2030 年時点:約 200百万円 | [財務影響額算出における前提条件] 2030年のG H G 排出量を、2 パターンで算定。 (A)2024年からの売上成長率と同様に温室効果ガス排出量も増加すると想定した場合 (B) 削減目標を達成した場合 ■排出量 (A)2030年時点: 20.4千t- CO2e (B)2030年目標: 9.9千t- CO2e ■炭素税 (※) 2030年の炭素税価格: $ 140/t-CO2e 為替レート:1 ドル 141.56円 |
為替レート: 2023 年度の年間平均を使用
■対応策:リスク回避
将来の炭素税リスクに対応すべく、中温化アスファルト混合物の製造を推進し、製造プロセスにおけるエネルギー使用量の削減に取り組んでまいります。さらに、省エネルギー設備の導入による生産効率の向上を図るとともに、太陽光発電設備の導入をはじめとする再生可能エネルギーの利用拡大を進め 、GHG排出量の削減を目指してまいります。また、省エネルギーに貢献する製品・加工技術の開発や提供など、多様な視点から持続可能な社会の実現に向けた取り組みを推進してまいります。
(b) 物理リスク:平均気温の上昇
■リスク・機会の認識
4℃シナリオにおける環境下では、気温上昇により熱中症被害が拡大することが想定されます。現状の熱中症対策コストに2030年の熱中症被害増加率を乗算し、リスク評価を実施いたしました。その結果、2023 年と比較し、2030年時点で12百万円のコスト上昇が想定されます。
■対応策:リスク回避
将来の熱中症リスクの増加や酷暑時間帯の作業制限による生産性の低下に対応するため、作業従事者の健康管理の徹底を図り、適切な休憩時間の確保や作業環境の改善を推進してまいります。さらに、ICTを活用した施工の効率化を進めることで、酷暑時間帯を最小限に抑えつつ、生産性の維持・向上を目指してまいります。これらの施策を通じて、作業の安全性と効率性を両立し、持続可能な労慟環境の確保に取り組んでまいります。
(c) 物理リスク:台風・洪水のような異常気象の深刻化・増加
■リスク・機会の認識
4℃シナリオにおける環境下では、異常気象の激甚化により洪水発生確率が最大になることが想定されます。
対象範囲を全事業とし、国内全拠点におけるリスク評価を実施いたしました。その結果、8拠点に浸水リスクがあることが判明いたしました。
これにより、設備などの固定資産への被害、業務停止に伴う売上機会損失の可能性が想定されます。その他の拠点についても、リスクの程度を定量評価し、対策を検討しております。
| 財務影響額試算 | |
| パターン (A) :50.5百万円 | ● リスク評価は、洪水発生時の想定浸水深について、国土交通省が提供する 『重ねるハザードマップ』を活用して検証しております。 |
| パターン (B) :3,367百万円 | ● 想定される浸水リスクに関しては、以下の2つの前提※に基づき財務影響額を試算しております。 パターン (A) : 年超過確率および発生確率を考慮した試算 パターン (B) : 年超過確率および発生確率を考慮しない試算 |
パターン (B) は確率的要素を考慮せずに想定最大影響額を試算した結果となります。
■対応策:リスク回避
気候変動による物理リスクに対して、ハザードマップを活用した洪水リスクの調査や被害予想額の算定を実施し、設備に対する浸水を想定した対策を強化いたします。今後は、防災・減災対策の最新情報を収集して、洪水発生時の被害軽減と迅速な事業復旧のための予防策を検討してまいります。
(3) リスク管理
■気候関連リスクを識別・評価・管理するプロセス
当社グループでは、気候変動に伴うリスクを短期的なリスクだけでなく、中長期的なリスクも考慮しております。担当役員や担当部署がリスクを抽出した後、サステナビリティ委員会で識別・評価を実施しております。評価されたリスクについては予防策と対応方針を検討し、少なくとも年に1回、経営会議を経て取締役会に付議・報告する体制を整えております。
リスクレベルは、「影響度」と「緊急度」をそれぞれ3段階で評価し、総合評価を9段階に分類することで、対処すべきリスクの重要性と優先度を決定しております。
■全社のリスク管理への統合プロセス
サステナビリティ委員会は経営会議の直下に設置されており、統合的なリスク管理体制を構築しております。サステナビリティ委員会では、気候変動に関連するリスクだけでなく、担当役員や担当部署から報告された事業に多大な影響を与えるリスク全般について、予防、発見、是正および再発防止のための議論・検討を行っております。
(4) 指標と目標
当社は、気候関連問題が経営に及ぼす影響を評価・管理するため、GHGプロトコル基準に基づき、温室効果ガス排出量の算定を実施しております。
温室効果ガス排出量の削減目標については、パリ協定が求める水準と整合した科学的根拠に基づく目標として、国際的なイニシアティブであるSBTiよりSBT認定を取得いたしました。本認定に基づき、2024年度を基準年として、2030年度までにScope1,2を42.0%以上削減、Scope3を25.0%以上削減することを目標としております。
目標達成に向けて、再生可能エネルギーの導入や省エネルギーの徹底など、各種削減活動を推進してまいります。
| 基準年度 | 目標年度 | 対象 | 目標値 |
| 2024年度 | 2030年度 | Scope1+2 | 42.0%以上の削減 |
| Scope3 | 25.0%以上の削減 |
| Scope | Scope3 カテゴリ | 2024年度 排出量(tCO2e) | 2025年度 排出量(tCO2e) |
| 1 直接排出 | 14,484 | 12,543 | |
| 2 間接排出 | 2,604 | 1,204 | |
| 3 その他間接排出 | 1. 購入 | 79,062 | 57,960 |
| 2. 資本財 | 2,230 | 764 | |
| 3. その他燃料 | 3,500 | 3,138 | |
| 4. 輸送(上流) | 2,065 | 1,314 | |
| 5. 事業廃棄物 | 2,030 | 591 | |
| 6. 従業員の出張 | 89 | 59 | |
| 7. 従業員の通勤 | 331 | 275 | |
| 8. リース資産(上流) | |||
| 9. 輸送(下流) | |||
| 10. 商品の加工 | |||
| 11. 商品の使用 | |||
| 12. 商品の廃棄 | |||
| 13. リース資産(下流) | 361 | 348 | |
| 14. フランチャイズ | |||
| 15. 投資 | 9,870 | 12,502 | |
| 16. その他 | |||
| Scope3 合計 | 99,538 | 76,981 | |
| 116,626 | 90,728 | ||
■温室効果ガス排出量削減の取り組み
①中温化アスファルト混合物の利用推進
中温化アスファルト混合物はアスファルト混合物と比較して、製造時に10℃以上の温度低減を行うことができ、その効果として、CO2排出量の削減、省エネルギー化が見込めます。当社グループでは、フォームドアスファルト装置(中温化アスファルト混合物の製造設備)を順次導入しており、中温化アスファルト混合物の製造ネットワークを拡大していきます。
②省エネルギー設備の導入
当社グループの事業において、製品等販売部門のCO2排出量はグループ全体の約80%を占めており、合材工場のCO2削減は不可欠であるため、以下の省エネルギー設備の導入を図っております。
・フォームドアスファルト装置
・使用燃料を重油から都市ガスへ変換
・省エネルギー型効率バーナー
・排ガス熱量を有効利用する設備
・負荷エコノマイザー(節電システム)
・大容量モーターのインバーター制御
③再生可能エネルギー利用拡大
当社では、横浜アスコンに大規模なソーラーパネルを設置しており、工場全体の電力の約10%を賄っております。また、使用電力におきましても再生エネルギー(太陽光、水力発電、地熱発電等)由来のグリーン電力を東北・関東・中部圏で使用しており、今後は地方へ積極的に展開してまいります。

脱炭素に向けたパートナーシップ
GXフューチャー・コンソーシアム
2026年4月1日からGXリーグとTCFDコンソーシアムが統合し「GX フューチャー・コンソーシアム(GXFC)」が発足されました。
私たちはGXFCに参画し、環境保全と経済成長が両立する持続可能な未来へ一歩ずつ着実に進んでいます。
