産後の妻が体調不良になり、急遽育休を取得
私は入社以来ずっと本社勤務で、経理部で事務職をしています。第一子は2017年7月から2018年の5月まで、第二子は2021年3月から2022年の5月まで、産休と育休を取得しました。
私は2023年の9月から2ヶ月間、育休を取りました。仕事は埼玉や千葉、東京の一部のエリアを担当する営業所で現場監督をしています。
当社での男性育休取得はほとんど前例がないのですが、なぜ育休を取ろうと思ったのでしょうか。
私自身、自分が育休を取ることは、全く考えていませんでした。しかし、産後の女性の体は想像以上にダメージが大きく、妻が腱鞘炎になってしまい、子供を抱っこすることすらできなくなってしまったのです。それで妻が精神的にも肉体的にもかなり追い詰められた状況になってしまったので、子供が3ヶ月になったころ上司に、育休を取得したいと相談しました。
いえ、上司と相談して仕事を調整し、実際に取得したのはそれから4ヶ月後、子供が7ヶ月になった頃です。ある程度現場が片付いたタイミングを図ったので、業務の引き継ぎはなんとか出来ました。
そうですね。ただ忙しい部署なので、今の状況では2ヶ月が限界かな、と自分で判断していました。休暇中は他部署から一人応援にきていただいたり、他のメンバーが夜勤を担当してくれたりと、私の業務を分担してくれて、とてもありがたかったです。迷惑をかけてしまったので、心苦しいのですが。
その気持ちはわかります!経理部の場合も、私の仕事を他の社員で分担してくれていました。第二子のときは、経理部が一番いそがしい年度末の3月から産休に入ったので、可能な限り準備をしましたね。
できるだけ誠実に働き、甘えられるところは助けてもらう
うちの場合は、夫が朝保育園に送っていけたので朝は変わらずに8時半に出勤し、退勤時間を1時間半早くして私がお迎えに行っていました。
保育園では病気をもらったりして、大変だと聞きますが。
第一子のとき、復帰してすぐ、朝会社の最寄り駅に着いた瞬間に保育園から呼び出しの電話がかかってきたことがあります。とりあえず会社に行って事情を説明し、そのまますぐにお迎えに行って、「これは大変だな!」と思いました(笑)。子供が二人になると、どちらかが病気になるとその1週間後にはもう一人に感染っているので、それも大変です。
ちょうどコロナ禍でリモートワークが
推奨されていたので、なんとか乗り切りました。
子育てしながら働く上で、意識していることはありますか。
なるべく誠実に仕事をすることです。日頃の行い、ではないですけれど、働けるときは働いて、助けが必要なときは甘えさせていただく。いざというときに理解をしてもらえるかどうかは、日々の積み重ねにあると思っています。
現場職には、時短勤務は難しいですよね。
そうですね(笑)。でも夜間工事のときは、子供をお風呂に入れてご飯を食べさせてから出勤できるので、都合が良いこともあります。
育休を取ったことで、妻への尊敬の念が深まった
育休を取ったことで、育児に積極的に参加するようになりましたか?
育休を取った生後7ヶ月のときは、ちょうど離乳食が始まるタイミングだったので、出汁をとったり、蒸し野菜をすりつぶしたり、色々作りましたね。また妻が重いものを一切持てなくなってしまったので、ゴミ出しや子どもの抱っこ、買い物の荷物持ちなど色々しました。私の休暇中に、妻には骨盤矯正や鍼治療に通ってもらい、今ではだいぶ痛みがなくなったそうです。
本当に、産後の女性は大変ですね。2ヶ月間でしたが育休を取って妻と子供の生活を間近に見たことで、「母親はすごいな」と妻への尊敬の念が深まりました。
奥様は、夫が産休を取ることについて、何か言っていましたか?
「理解のある会社でよかったね」と言っていました。すべての人に理解してもらえたかはわかりませんが、いずれ自分が同じ立場になったときに、少しでもわかってもらえるといいな、と思います。
男性や女性技術者が産休・育休を取りやすい会社に!
私は事務職ですが、実は近い世代の人が多くないので、周囲の社員には産休・育休を取得した人がほとんどいませんでした。だから後輩社員たちには私を見て「こういう人がいるんだ、自分も産休・育休を取って働き続けていいんだ」と思ってもらいたいですね。
また、現状では女性技術者で産休・育休を取得した人はいません。毎年女性技術者が入社していて、今後も増えていくでしょう。彼女たちに出産しても働き続けられる選択ができるように、社員ひとりひとりの理解の促進や意識改革に取り組まなければならない、と考えています。
そうですね。産休・育休について必要な人が必要な時に制度を利用できるように、これからも会社側でできることをぜひ考えてもらいたいです。
子供にはまだ私が携わった仕事現場を見せたことはありませんが、これからも「子供に誇れる仕事」を残していきたいです。産休・育休制度をうまく活用して積極的に育児に関わる男性が増えることを願っています!