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Project Story 05 富山空港滑走路内舗装修繕工事

富山営業所 担当課長(当時) 砺波営業所 工事課長(現在)

富山営業所 担当課長(当時) 砺波営業所 工事課長(現在)

高専の土木課を卒業後、1996年入社。関西出身だが入社後3年間は中国地方、その後北陸地方に移動し、現在まで勤務。「道路工事は、技術の進歩はありますが、基本的にやることは私が入社以来ずっと変わっていません。最後は人の目と手が必要になる。AIにはできない仕事です!」

空港工事はシビア。だからこそやる価値がある

富山空港の滑走路は、幅50メートル、長さ2キロメートルのものが1本あります。それを全部で10工区に区切り、毎年順番に進めていく形です。

空港の舗装工事は一般の道路工事とは違い、スケジュールがシビアでリスクも高い。今回のプロジェクトでは、当社にしかない技術と実績、提案力で受注に至りました。現在も、引き続き次の工区を担当させていただいています。

遅延が許されない現場。臨機応変な対応と天気の「読み」も重要なカギ

工事は夜間に行われます。最終便が出た21時30分からスタートし、始発便の運行時間を考慮し朝5時には完了させる。当然ですが、工事が遅れて滑走路が使えないということは許されませんので、シビアかつ臨機応変な対応が求められます。万が一トラブルがあった際の対処法を常に考えながら、毎日施工しています。

北陸地方は雨が多いので、その点にも考慮が必要です。ただ、この仕事をやっているとずっと天気のことを考えているので、結構「読み」が当たりますよ(笑)。

小石一つが重大事故につながる!

空港の滑走路内というのは、通常では入れない場所です。当然管理も厳しく、テロ対策の点からも、日々誰が何人入るのか、使う機械は何か、等を細かく申請する必要があります。

また一番厳しくチェックしていたのは、滑走路上にゴミが残っていないか、ということ。シャープペン1本でも落ちていると、それをジェットエンジンが吸い込んで故障の原因となることもあるそうです。そのため、毎日の仕事終わりには15人くらいで列になって、小石などが落ちていないか厳重にチェックしていました。工事が終わる朝の5時はまだ薄暗いので、かなり気を使う作業でした。

厚みのあるアスファルトの冷却に一苦労

滑走路のアスファルトの厚さは30センチメートル。今回は、そのうち最上部の表層とその下の基層部分、約15~20センチメートルを削りました。これだけの厚みがあると、アスファルトの温度が中々下がりません。夏であればなおさらです。

表面温度が70℃になってから開放すると決められているので、冷ます時間を逆算し、またローラーに特殊なミストをつける、送風機を使用して強制的に冷却をするなどの対策を行いました。そういう点でも、空港の工事はスケジュール管理が厳しい現場ですね。

15~20センチメートルを切削

15~20センチメートルを切削

3台の機械で踏み固め(転圧)を行う

3台の機械で踏み固め(転圧)を行う

深夜の川沿いの空港。非日常的な景色が見られるのも現場ならでは

空港工事の面白さは、シチュエーションの非日常感でしょうか。深夜、誘導灯がついているなか、待機している飛行機が見える。普通は入れない場所に立っていると、不思議な感覚になります。夜の空港は、本当にきれいですよ。富山空港は日本で唯一、河川沿いに建っているので、ロケーション的にも素晴らしいです。

夜の空港は幻想的で美しい

夜の空港は幻想的で美しい

空港のプロジェクトは金額が大きいので会社としても利益はありますが、何よりの収穫は担当した入社5年目と、研修1年目の社員の成長でしょうか。二人とも、その成長は目覚ましいものがありました。工事最初と最後では、顔つきも変わりましたね。大きなプロジェクトや特殊な現場を経験して、今後の幅を広げていってほしいと思います。

施工内容 滑走路中心灯設置・舗装打換え工・標識設置工・グルービング工
施工方法 切削オーバーレイ工

まるで家族のような富山営業所

私が所属していた富山営業所には、管理の職員が10人くらい、また直営の作業員が20~25人くらいいます。ずっと同じメンバーなので、誰がどのような考えを持っていて、どういう仕事ができるのか、何も聞かなくてもわかります。家族のような雰囲気の営業所です。