技術・商品情報TECHNOLOGY & PRODUCTS

スリップフォーム工法

コンクリート舗装

スリップフォーム工法は、コンクリート敷きならし、締固めおよび平坦性仕上げ等の機能を1台に備えた専用機を用い、型枠を設置しないで同一断面の連続したコンクリート舗装、構造物を構築する工法です。
従来のセットフォーム式の施工法に比べ施工能力が大きく、工期の短縮、施工の省力化を図ることができます。
このため、高速道路、空港のエプロン舗装工事等の大規模工事に最適な工法です。

平たん仕上げの状況
敷きならしの状況

縦取り機を使用したコンクリート舗装

コンクリート舗装の材料供給は、従来、コンクリート横取り型供給ベルコンで対応していたが、コンクリート縦取り型供給機械の活用により、同一車線で一連の作業が行えることとなり、隣接車線を通行帯とすることで交通の円滑化が図れるます。また、鉄筋運搬台車を縦取り機械直下で牽引することで、鉄筋の運搬、間配り等の準備工における労力が軽減され、コンクリート舗設と鉄筋組立てを同時に行うことで作業の効率化が図れます。

スリップフォーム工法(早期交通開放型コンクリート舗装工)

近年、道路舗装の高耐久化・長寿命化によるLCC(ライフサイクルコスト)の縮減が求められており、アスファルト舗装よりも耐久性が高く長寿命化が期待できるコンクリート舗装への関心が高まっています。コンクリート舗装の長所は、アスファルト舗装と比較して長寿命(高耐久)、低ライフサイクルコスト、環境負荷低減などがあげられます。一方、短所としてアスファルト舗装に比べて交通開放するまでに時間がかかるなどの課題があげられています。このようななか、交通開放の早期化を図る工法として、コンクリート舗設後1日で養生を終えることが可能な早期交通開放型コンクリート「1DAY PAVE」を用いたスリップフォーム工法(以下、SF工法という)による機械化施工技術の開発に成功しました。

早期交通開放型コンクリートのSF工法の特長

  • 養生期間が1日(24h養生後)で交通開放できる強度が得られます。
  • スリップフォーム工法による機械化施工とすることで施工能力の増大が図れるので、規模の大きい工事にも対応可能です。
  • SF工法による機械化施工(従来技術は、主に人力施工による)とすることで、舗装版の平たん性の向上が図れます。
  • 早強ポルトランドセメントおよび高性能AE減水剤を使用します。

適用箇所

  • コンクリート舗装の大規模工事
  • 重交通舗装(港湾コンテナヤード、物流センター等)
  • パーキングエリアの大型駐車ます
  • 鉄網を省略した普通コンクリート舗装
  • 連続鉄筋コンクリート舗装
  • 道路維持修繕工事

設 計

  • 早期交通開放型コンクリート舗装版の構造設計は、「舗装設計便覧」(日本道路協会)に示される「経験にもとづく設計方法」または「理論的設計方法」に準じて決定します。
  • 連続鉄筋コンクリートにおいて適用する場合は、ひび割れ断面の鉄筋の応力度が設計引張降伏強度以下であることの確認を行います。

コンクリートの配合

使用するコンクリートは、SF工法に対応可能とするためスランプ、空気量、変形抵抗性、施工性(可使時間)および材齢1日の曲げ強度を確保した配合としています。次に配合条件および配合例を示します。

表-1 配合条件
名 称品 質
設計曲げ強度4.5N/㎜2
コンシステンシースランプ:8㎝(舗設位置)
空 気 量:5.5%(舗設位置)
自立安定性
(エッジスランプ試験)
エッジスランプ:10㎝以内
オーバーフロー:15㎜以内
表-2 早期交通開放型コンクリートの配合例
粗骨材の最大寸法(㎜)セメントの種類W/C
(%)
S/a
(%)
粗骨材
かさ容積
(m3/m3
単位量(㎏/m3
G1G2高性能AE減水剤
(C×%)
20H45360.7603181436797244820.50

施 工

施工方法については、一般的なSF工法の流れと変わりません。(参考資料:日本スリップフォーム工法協会 スリップフォーム工法施工マニュアル(舗装編))

施工例

早期交通開放型コンクリート(山口県宇部市)
普通コンクリート舗装:鉄網省略
早期交通開放型コンクリート(山口県宇部市)
連続鉄筋コンクリート舗装