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Project Story 03 熊本駅 駅前広場及び JR商業ビル外構工事

西日本支店営業担当部長 兼 福岡営業所営業課長

西日本支店営業担当部長 兼 福岡営業所営業課長

中途採用で入社以来28年間、ずっと福岡勤務。
文系出身でなんの知識も持たずに入社したので「当初はシャレにならない失敗をした」こともあるとか。

約60枚のサンプル作成は時間との闘い

熊本市役所に営業に行った際にお声がけいただき、熊本駅の再開発工事に伴う駅前広場舗装材の選定委員会において、当社の商材をPRする機会を得ました。工法の説明や一部の試験施工などを行い、パーミアストーンでの工事を受注。しかし、ちょうどコロナ禍の始まりの時期と重なり、当初予定より半年ほど遅れてのスタートとなりました。

実施設計期間中に、急ピッチで骨材の選定を実施。当社の技術研究所で骨材の種類と配合を変えたサンプルを、最終的には全部で60枚作成しました。サンプルが出来上がるたびに車に積んでは運んで……の繰り返しで、まさに時間との闘い。今までの経験でも、ここまでの物量の配合試験やサンプル作成を行ったことはありません。最終的には白さが美しい白御影石が骨材として採用されました。

美しく高い透水性を持つパーミアストーン
美しく高い透水性を持つパーミアストーン

美しく高い透水性を持つパーミアストーン

関係各所の意見のすり合わせに一苦労

熊本駅の再開発工事は完全高架化を柱とする15年に渡るビッグプロジェクトで、駅前広場については、デザインの監修を大学教授らからなる委員会が行い、実施計画は福岡の設計事務所、施工主は主に熊本市と鉄道会社です。それぞれ意見や思いが異なりますので、その調整には特に苦労しました。朝の打ち合わせで話したことが、夕方には変更になっているということも。

しかし、すべての意見を聞いていては工事が進まず、また双方の軋轢にもつながります。その間に入る営業の立場として、まずは関係各所との“報連相”を徹底。そして、出来ないことは出来ないと伝えつつ、調整可能な範囲であれば極力対応する、潤滑油のような役割を意識しました。

15年に渡るプロジェクトの集大成

15年に渡るプロジェクトの集大成

冬の寒さによる硬化不良。基本に立ち返り改善策を模索

駅前広場の工事は、多くの乗降客が行き交う中で行われます。通勤ラッシュが一段落した朝の9時から工事がスタート。熊本駅前の多くのエリアで、通行規制をしつつの作業となりました。実は、当初はアスファルトフィニッシャーを使用した機械施工で一気に広範囲を行う予定でしたが、想定以上の往来があり、1日の作業範囲を限定する必要がありました。スタート1ヶ月で機械施工は諦め、人力施工に切り替えました。

また、冬の寒さも想定外でした。熊本は盆地で、夏は暑く冬は寒い。気温が低いと、コンクリートは硬化不良を起こします。想定よりたった1~2℃の違いでもその影響は大きい。当初のころは、施工不良による打ち替えを繰り返す羽目になりました。その原因を探った結果、寒さ対策の養生が不十分だったことが判明。基本に立ち返り、品質管理を徹底することで改善することができました。

何度見返しても、誇りに思える現場

当初は社員1名、作業員1班で行っていましたが、着工の遅れや打ち替えなどのトラブル、 先行していた雨除けの屋根の設置を待つ日程調整などがあり、「このままだと到底間に合わない」という状況に追い込まれました。そこで最後の2ヶ月間は、別部署の社員にも協力を仰ぎ、社員4名、作業員3班での追い込み工事。当然、現場も社内もピリピリした空気が漂います。営業として私ができることは、皆のモチベーションを上げること。積極的に声をかけて、気分が明るくなるよう心がけていました。工事が完了したときは、心から安堵しましたね。

完成後は、熊本を訪れる機会があれば足を運ぶようにしています。大雨予報があると、行程を変更して透水の状態を確認しに行くことも。何度見返しても、誇りに思える現場です。

本件がきっかけになったのか、現在まで駅前広場・建築外構の工事を5件受注しています。苦労が多かった分成果も大きく、自分自身も会社としても、成長できたと感じています。

夜景も美しい駅前広場

夜景も美しい駅前広場

熊本城の瓦を使用しました!

中央の丸く濃くなっている部分は、2016年の地震で崩落した熊本城の天守瓦を骨材として使用しています。熊本市民の思いがこもった意匠です。

熊本城の瓦を使用しました!