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Project Story 01 国道14号線舗装工事
(ICT施工)

関東支店 工事部 工事課 担当課長

関東支店 工事部 工事課 担当課長

2002年入社。大学で土木を専攻し、道路に興味を持った。「入社前に話を聞き、自由な会社だという印象を持ちました。実際に、自分のペースで仕事ができる働きやすい会社だと感じています。役職的には若い社員に任せていく段階ですが、やはり現場は楽しいですね。書類仕事が続くと『現場に行きたいなあ!』と思います(笑)」

都内の夜間道路工事は周囲との調整が最重要課題

国道は定期的に点検され、修繕が必要と判断された箇所の工事が順次行われます。今回工事を行ったのは、東京都江東区亀戸七丁目から東京都江戸川区平井二丁目の約1キロメートル、京葉道路と呼ばれている国道14号線の一部です。

ここは幹線道路で大型車の通行もあり、沿道にはマンションや商業施設が立ち並ぶエリアのため、人や車の少ない夜間工事になります。しかし、周囲に住む方にとっては夜間の工事による騒音は迷惑なものでしかありません。また、工事によって道路への入口を塞ぐこともあるので通行の妨げにもなります。工事に対してご理解いただけるように事前説明やイメージアップ、都度の調整などを行うのも私たちの仕事です。

舗装工事では前例が少ない「ICT施工」への取り組み

今回の工事は「ICT施工」で行われました。建設ICT(Information and Communications Technology:情報通信技術)を活用した施工は、今回の工事での国土交通省の入札要件にもなっています。

ICT施工はまだ新しい技術で、土工では比較的多く採用されていますが、当社は舗装ではそれほど多くありません。また、一口にICT施工と言ってもどの作業をICT化するかは各社の判断に任されるのですが、今回は必須要件である「測量データから3次元データを作成し、それを元に設計データを作る」だけでなく、路面切削にもICTの機械を取り入れました。

通常の場合は、オペレーターが「何センチ削るのか」を確認しながら機械を設定するのですが、今回は重機にデータを受信する装置を取り付け、測量のデータに合わせて自動的に数字がコントロールされます。これによりオペレーターの省力化につながり、また経験の浅いオペレーターでもミスのない操作が可能になります。

重機の上にデータを受信するマストが設置されている
重機の上にデータを受信するマストが設置されている

重機の上にデータを受信するマストが設置されている

障害物に遮られないようにするため、反対側からデータを送信する
障害物に遮られないようにするため、反対側からデータを送信する

障害物に遮られないようにするため、反対側からデータを送信する

ただし、すべてが機械任せになって工事が楽になるわけではありません。データ通りに実行できているかは人間の目で確認しなくてはならず、微調整は必要です。そもそも舗装工事にICT施工が少ないのは、現道(元々ある道)と工事部分の高さを揃えることがデータだけでは難しいから、という点にあります。しかし今後人員不足が想定される社会情勢の中で、ICT施工は道路工事でも主流となっていくでしょう。だからこそ、積極的にICT施工に取り組み、実績を重ねる必要があります。

皆が同じ方向を向くことが、事故のない現場につながる

すべての舗装が終わって、仕上げに区画線が入ると、現場が途端に「道路らしく」なります。それを見ると、「現場が完成出来てよかった」と肩の荷が下りたような気持ちです。佐藤渡辺は平成29年度から現在まで7年連続で、国土交通省関東地方整備局より「安全管理優良受注者表彰」を受けています。事故なく工事を終えること、この当たり前のことが、何より大変で大切だとつくづく思います。

私が現場を行う上で大切にしているのは、皆が同じ方向を向いていること。より良い物を造る技術者として、現場従事者が日々の安全・品質・出来形等の管理を怠らず行う意識を共有していたからこそ、それが達成できたのだと思います。

道路の舗装が新しくなっても、多くの人はあまりその違いには気づきません。ただ、車やバイクに乗る人に「この道は、ちょっと走りやすくなったな」と思っていただけると嬉しいです。

工事完了して「道路らしく」なる

工事完了して「道路らしく」なる

施工内容 舗装打換え工、切削オーバーレイ工、区画線工、道路付属施設工、仮設工
施工方法 ①起工測量→②舗装版切断→③舗装打換え→④道路付属施設(撤去)→
⑤切削オーバーレイ→⑥区画線→⑦道路付属物(設置)

私の新入社員時代

若い頃は、現場の作業員に鍛えていただきました(笑)。25歳ごろに担当した工事では、その地域の自治会長さんや神社の宮司さんと親しくなり、私の結婚式にも出席していただいたのは印象深い思い出です。